J1ビザ・J2ビザとは何か
まず前提として、J1・J2ビザがどういうものかを簡単に整理しておきます。
J1ビザは「交流訪問者ビザ」と呼ばれるもので、医師・研究者・学生・教師など、文化交流や研究・教育を目的としてアメリカに滞在する人に発行されます。
J2ビザは、そのJ1保持者の配偶者や扶養家族に発行される帯同ビザです。
J1あってのJ2であり、J1保持者のステータスに完全に依存しています。
よく混同されるのが、一般的な企業の海外赴任で使われるビザとの違いです。企業からの派遣の場合はL1やH-1Bビザが使われることが多く、配偶者にはL2やH-4ビザが発行されます。J1/J2は企業派遣ではなく、医療研修・研究・学術交流など個人の目的で渡米するケースで使われることが多いビザです。
私の夫の場合は医療従事者として自己実現のために渡米するというパターンで、企業補助は一切なし。
J1/J2ビザで来ています。
「駐在妻」とひとくくりにされることも多いですが、ビザの種類も生活事情も全然違います。

憧れるのはキラキラ駐妻生活だよね〜
ビザ種類別・就労可否一覧
帯同ビザにはいくつか種類があり、就労できるかどうかの条件がそれぞれ異なります。
| ビザ種類 | 帯同ビザ | 就労可否 |
|---|---|---|
| J1(交流訪問者) | J2 | EAD取得で就労可 |
| L1(企業内転勤) | L2 | EAD取得で就労可 |
| E2(投資家) | E2依存 | EAD取得で就労可 |
| H-1B(専門職) | H-4 | 条件付き※ |
| F1(学生) | F2 | 原則就労不可 |
※H-4の場合、H-1B保持者がグリーンカード申請プロセスに入っている場合のみEAD申請可能。それ以外は就労不可。
まず自分が何ビザなのかを確認することが最初のステップです。
同じ「駐在妻」でも夫のビザによって状況がまったく異なります。
J2ビザでは就労にEADが必須な理由
J2ビザで入国しただけでは、アメリカ国内で働くことはできません。
就労するためにはEAD(Employment Authorization Document)=就労許可証をUSCIS(米国市民権・移民局)から取得する必要があります。
EADを取得せずに働くことは不法就労にあたり、発覚した場合はビザステータスの失効、最悪の場合は強制送還・将来のビザ申請への影響といった深刻なリスクがあります。
私自身、この壁に実際にぶつかりました。
アメリカに来て暇を持て余し、リモートで働ける日本企業を探して応募・面接まで進んだのですが、就労許可証がないと雇用できないことに気づきアウト。
しかも楽観的に構えすぎており渡米後すぐに申請しなかったため、長い期間働けない状態が続くことになりました。
渡米後すぐに申請することを強くおすすめします。



働くつもりはなくても選択肢を増やすために
“渡米したらまずは申請”
がほんっとうにおすすめ!!
「日本の仕事ならEAD不要では?」という誤解
これ、私も最初そう思っていたのですが、完全に間違いです。
重要なのは「どこの会社で働くか」ではなく、「働く人間がどこに住んでいるか」です。
たとえば以下のケースでもEADは必須です。
- 日本企業へのフルリモート勤務(会社が日本にあっても、働いているのはアメリカ)
- 日本に自身の法人を持っていて、そこへの報酬として働く(私が最初に検討していたパターン)
- 日本のクライアントから受ける業務委託
- 自身でアプリ開発やブログで収益を得ようとする
要するにアメリカに居住しながら収入を得る行為はすべて就労にあたるため、EADなしで行うと不法就労になります。「日本の仕事だから大丈夫」という認識は非常に危険なので注意してください。



ここ考えうるあらゆるパターンを調べたけど
抜け道なんてないので諦めましょう🥲
EADとは何か
改めて整理すると、EADはUSCISが発行する就労許可証です。
カード形式で発行され、写真・署名・就労許可期間が記載されています。
EADを持っていれば、業種・勤務形態(フルタイム・パートタイム)・雇用形態(正社員・フリーランス等)を問わず就労が可能です。特定の職種や業界への制限はありません。
ただし米国市民権または永住権が必要な一部の職種(政府機関の特定ポストなど)は例外です。
J2ビザ保持者がEADを取得するための条件
申請には以下の条件を満たす必要があります。
J1保持者のステータスが失効・変更になると、J2のEADも連動して無効になります。
J1が別のビザ種別に変更した場合も同様で、EADがまだ有効期間内であっても即座に就労停止が必要です。
これが最も重要な条件です。
J1ビザには「滞在するための十分な資金があること」という要件があります。
そのためJ2の収入でJ1の生活を支えることは認められていません。
申請書類の中に「自分の収入はJ1の生計を支えるために使用しない」という旨のカバーレターを自分で書いて添付する必要があります。
目的は「文化・レクリエーション活動のため」「自己実現のため」という建前が求められます。
誤解している方も多いですが、EADを持っていれば稼げる金額に法律上の上限はありません。
フルタイムで働いても問題なく、給与水準の制限もありません。
ただし②の条件、つまり「J1の生活費に使わない」という原則は守る必要があります。
申請はJ2ステータスでアメリカに入国した後、かつアメリカ国内にいる間のみ提出可能です。
申請後の海外渡航については、自動的に申請がキャンセルされるわけではないという見解がある一方で、リスクがゼロではないとする大学の国際オフィスなどの公式見解も複数あります。
私自身は12月に申請して審査中の2月に一時帰国しましたが結果的に問題ありませんでした。
(上記の情報は帰ってから知った😱)
ただしこれが必ずしも全員に当てはまるとは言えないため、申請中の渡航を検討する場合は事前に専門家への確認を強くおすすめします。
J2 EADはオンライン申請できない
これ、意外と日本語の情報が少ないので注意してほしいのですが、J2のEAD申請は現在も紙の郵送申請のみの対応となっています。(2026年4月現在も変わらずでした)
USCISのサイトではビザの種類によってはオンライン申請が可能なものもあり、「オンラインで完結できるだろう」と思って進めようとすると迷います。
J2(カテゴリコード:(c)(5))はオンライン申請非対応なので、書類を揃えて郵送する必要があります。
具体的な申請書類や手順については次の記事で詳しく解説します。
EADの有効期限と更新について
EADの有効期限は以下のどちらか短い方が適用されます。
- J1保持者のDS-2019(プログラム期間証明書)の終了日
- 最長4年
つまりJ1のプログラムが延長されればEADも更新できますが、J1が終了すればEADも失効します。
更新する場合も新たにI-765を提出して審査を受ける必要があり、処理には数ヶ月かかります。
EAD期限が切れると即就労停止になるため、期限の少なくとも4ヶ月前には更新申請を出しておくことを強くおすすめします。更新中であっても期限が切れたら働けなくなるので、ギリギリで動くのは危険です。
ここで注意が必要なのが、EAD更新にはJ1保持者のDS-2019が先に更新されていることが前提条件という点です。DS-2019の更新が完了するまでEADの更新申請自体が提出できないため、J1・J2のスケジュールを必ず連携させて動く必要があります。
具体的なイメージとして、私の夫の場合を例に挙げます。
DS-2019の期限が2026年11月末で、更新手続きの開始が5月1日から可能なケースです。
- 5月1日:DS-2019更新手続き開始
- 5月〜7月頃:DS-2019更新承認(処理期間による)
- 承認後すぐ:EAD更新申請を提出
- 2〜5ヶ月後:新EAD到着(8月〜10月頃)
一見余裕があるように見えますが、DS-2019の処理が遅れたりEADの審査に5ヶ月かかったりすると、11月のEAD期限に間に合わず就労停止期間が発生するリスクがあります。5月1日になったら即動くくらいの意識で臨むのが安全です。



私もまだ更新は現段階で経験してないのでドキドキ…。
まとめ
- J2ビザは帯同ビザであり、入国しただけでは就労不可
- 就労にはEAD(就労許可証)の取得が必須
- 「日本の仕事ならOK」は誤解。働く場所がアメリカである限りEADが必要
- 収益の上限はないが、J1の生計を支える目的での就労はNG
- 申請はアメリカ国内からのみ、かつ紙の郵送申請のみ対応
- EAD期限切れ=即就労停止。更新は4ヶ月前には動き始める
次の記事では実際の申請書類と手順を詳しく解説します。
⚠️ 本記事は筆者の個人的な体験・調査に基づく記録です。手続き内容や条件はご自身の状況により異なる場合があります。ビザ・法律制度は変更されることがあるため、最新情報は必ず公式機関や専門家にご確認ください。
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